本編
俺は屋上からの景色が好きだ。
見晴らしがいいのと、全てが小さく見えるところがいい。
だから俺は小さい頃から、高層マンションを作って、その屋上から見下ろすことが夢だった。
がむしゃらに働き、夢を叶えるために頑張った。
そして、念願の高層マンションを購入した。
この辺りでは、ここよりも高い建物はない。
今日も、屋上から景色を見下ろす。
本当に気分がいい。
人が蟻のようだ。
そういえば、今日は自慢をするために友達を呼んだんだった。
まだ来ないのだろうか。
早く自慢したいのに。
ふと見上げると、人影がこっちを見ている。
友達が来たんだろうか?
でも小さすぎて見えない。
終わり。
■解説
屋上にいるはずなのに「見上げて」人が見えるのはおかしい。
つまり、語り部は落下し、友達が屋上から見下ろしているのである。