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本編
彼女と付き合い始めて、5年。
あるきっかけで、俺はプロポーズを決め、彼女に指輪を贈った。
彼女は喜んで、指輪を受け取ってくれる。
よかった。
最近は彼女との関係が冷め始めていた気がしていた。
だけどそれは、俺の勘違いだったようだ。
これからはもっと彼女との時間を作ろう。
そう決めた。
そんなあるときだった。
仕事中に彼女からメールが来た。
こんな時間に珍しい。
そう思って、開いてみる。
『今日、お返しにプレゼントを贈ったから21時までに絶対に帰って、受け取ってね』
凄く嬉しかった。
彼女からのプレゼントなんて、初めてかもしれない。
俺はワクワクとしながら、定時過ぎには仕事を終わらせられるように頑張った。
だが、帰るギリギリになって、リーダーから仕事を押し付けられた。
普通なら、いつものことだと腹も立たないが、今日ばかりは本気で殺意すら覚えた。
それでもなんとか21時に間に合うように頑張ったが、案の定、帰りは終電になってしまった。
最悪だ。
せっかくの彼女からのプレゼントだが、週末にでも受け取ろう。
そう思って家に入ると、家の中が荒らされていた。
空き巣だ。
俺はすぐに警察に連絡する。
警察が来て、色々と聴取され、気付けば解放されて寝る頃には深夜の3時を過ぎていた。
悪いことは続くとはよく言ったものだ。
ただ、金目の物を取られていなかったのは不幸中の幸いだったのかもしれない。
次の日、仕事をしていると、警察から連絡があり、すぐに来て欲しいと言われた。
俺はリーダーに事情を言って、早退し、警察へと向かう。
警察が聞き込みをした結果、昨日の21時に俺の部屋の付近で不審者の目撃情報があったのだという。
さらに、その不審者はナイフを持っていたということで、物取りではなく、怨恨の可能性もあると言われた。
恨みを持っているような人物を聞かれたが、思い当たらない。
警察からは見回りをするが、気を付けるように言われた。
家に帰って、誰か恨みを買ったような人間を考える。
すると、インターフォンが鳴り、宅配が届いた。
送り主は彼女だった。
箱の中には、俺が贈った婚約指輪が入っていた。
終わり。
■解説
彼女がプレゼントを贈ったと言ったのは、前の日のことである。
そして、受け取って欲しいと言った時間は21時で、その時間に強盗に入られている。
さらに彼女は「プレゼントのお返し」と言っているのに、語り部が送った指輪を贈り返してくるのはおかしい。
つまり、本当のプレゼントは、彼女が依頼した殺し屋だった。
語り部は彼女と冷め始めていたと言っているが、彼女の方は殺意を覚えるほどの嫌悪感を持っていたのかもしれない。

