本編
最近、家に帰ると何か違和感がある。
物の置いてある位置とか変わっているような気がするけど、ちゃんと覚えてないから気のせいかもしれない。
でも、やっぱり、なんていうか空気が違うというか、誰か他の人が部屋にいたような感じがする。
お母さんとかに、私がいないときに来て、部屋に入ったかと聞いてみたけど、そんなことはしてないと言われた。
まあ、合鍵を渡してないから入れるはずないんだけど。
となると合鍵を持っている大家さんの可能があるけど、大家さんが黙って私の部屋に入るとも思えない。
もしかして、窓から侵入されているのかと思って、調べてみたけど、ちゃんと戸締りはしてあった。
そうなると、やっぱり気のせいなんだろうか。
それでも一度気になり始めたら、無視できなくなる。
だから、私は部屋にカメラを仕掛けて、アレクサに「監視して」と頼んだ。
これで、私じゃない誰かが映っていれば、侵入されていることになる。
次の日、私は仕事から帰って、ドキドキしながらアレクサが録画した動画を見てみた。
そしたら、その動画には私が机に座っている姿が映っていた。
終わり。
■解説
監視カメラは語り部の部屋に設置されているはずである。
そして、語り部は仕事に行っていて、帰って来てから動画を見ている。
ということは、部屋にはいなかったはずである。
それなのに、録画された動画に映っているのは語り部だった。
つまり、「監視して」というのは「部屋」ではなく、「語り部」を監視していたということになる。
もしかすると、侵入者は語り部にカメラを仕掛け、「監視」しているのかもしれない。

