サイトアイコン 意味が分かると怖い話【解説付き】

バイト先

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本編

私は霊感が強い。
昔は人間か、幽霊か見分けがつかなかった。
よく幽霊に話しかけて、周りから変な子だと言われることが多かった。

中学生になる頃にはさすがに見分けられるようになったけど。

でも、最近は全然幽霊を見なくなった。
霊感が弱まったんだろうか。

だから、私はバイトを始めた。
前までは夜は極力外に出ないようにしたけど、このところ、幽霊を見なくなったので夜でも外に出ても大丈夫だろう。

それに大学生にもなれば、何かとお金がかかるからね。
バイトは必須だよ。

それで選んだのが洋服屋さん。
服に興味があったし、店員価格で服が買えるので一石二鳥だ。

そして、このお店はほとんど店に人が来ない。
だから、結構、服が売れ残るから、割引でお気に入りの服が買える。

ただ、暇すぎて時間が長く感じるのと、売り上げが低くてクビにならないかが心配っていうのがある。

だからといって、私が何かできるというわけじゃない。
丁寧に接客するくらいだけど、そもそもお客さんが来ないと意味がない。

いっそ、向かいのお店にバイト先を変えようかな。
なんて思ってたら、向かいのお店が火事になった。
店員とかお客さんが何人か亡くなったらしい。

バイト変えなくてよかった。

その頃からバイト先にお客さんが来るようになった。
たぶん、向かいのお店がなくなったから、こっちに来るようになったんだろう。

でも、来るお客さんは全然服を買って行かないし、接客しようとしても無視される。
なんか面白くないなぁ。

店長もお客さんも来ないし、そろそろお店、閉めようかな、なんて言ってる。

今のうちに新しいバイト先を探した方がいいのかな?

終わり。

■解説

語り部は、客が来ていると言っているのに店長は「来ない」と言っているのはおかしい。
買い物をしないことや接客しようとしても無視されることから、やってきているのは向かいのお店で亡くなった人間の可能性が高い。

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