本編
両親も亡くなり、兄弟もいない私の心の支えは飼い猫のみーちゃんだった。
生まれたばかりで捨てられていた、寂しそうなみーちゃんがまるで私のようだと思った。
今までは家で一人だったのが、みーちゃんが来てからは生活が華やかになった気がする。
いつも一緒に寝て、みーちゃんに起こされる毎日。
みーちゃんさえいれば、もう他には何もいらない。
そう思っていたのに、なぜかみーちゃんはいなくなってしまった。
開いていた窓から逃げてしまったみたいだ。
必死に探したけど見つからない。
そんなあるとき、会社で他県に転勤になった。
知らない町でまた独りぼっちの生活。
みーちゃんがいなくなってから1年が経った。
もう何もかもが嫌になった。
いっそ両親のもとに行こうかとも考えた。
そんなとき、なんとみーちゃんが戻ってきてくれたのだ。
凄く嬉しい。
こんな奇跡もあるんだね。
終わり。
■解説
語り部は他県に引っ越しているのに、猫が追ってこれるとは考えづらい。
つまり、来た猫はみーちゃんではなく、他の猫の可能性が高い。