本編
彼女とは付き合って2ヶ月で、デートでは手を繋いで歩いている。
高台で景色を見るために山道に入った。
歩道にはガードレールがないし、俺たち以外は誰も歩いていない。
歩いていると、「危ない!」って言われて、腕を引っ張られる。
そして、後ろから来ていた車がクラクションを鳴らしながら、俺を避けて走り去った。
危なかった。
轢かれるところだった。
「大丈夫だった?」
左を見ると彼女が心配そうに俺を見ている。
いやいや。
お前が引っ張ったから車道に出て轢かれるところだったんだぞ。
もしかして、俺を殺そうとしたのか?
女は怖いな。
終わり。
■解説
車が後ろから走ってきているので語り部たちは左側を歩いていた。
そして語り部の左に彼女がいる。
つまり、語り部は彼女以外の何者かに引っ張られたことになる。