本編
最近、生きてるのがつらくなるくらいつまらない。
そのせいか、よく白昼夢を見る。
自分が殺されそうになるという想像だ。
相手が包丁やハンマーを持って追いかけてくる。
それを必死に逃げるというシチュエーションだ。
逃げている時点で、生きたくないという願望から外れている。
だから、きっと刺激を求めているんだと思う。
今日も襲われて、必死に逃げてきた。
今回は包丁が腕をかすって血が出た。
すごく興奮した。
生きている感じがする。
スリルと痛みは人生に必要なんだと思う。
終わり。
■解説
想像であるなら痛みは感じないはずである。
つまり、語り部は白昼夢を見ているのではなく、実際に襲われている。