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キャンプでの焼肉

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本編

私は高校に入ったのをきっかけに、キャンプサークルに入った。
 
最近は下火になってきているけど、ブームだった時に作ったみたいだ。
作った当時は部で、部員が10人以上いたらしいけど、今は私を含めて3人だけだった。
 
でも、私はワイワイやるのが好きだから、このくらいの人数の方がいい。
だって、10人もいたら、1人くらいは合わない人が出てくるから。
 
バイトをしてキャンプセットを買いそろえて、ついにサークルでの初キャンプをすることになった。
 
そしたら、先生が特別なお肉を持ってくるから、焼き肉をしようと言ってくれた。
キャンプで焼き肉。
それだけでテンションが上がる。
 
キャンプの前に、みんなで特別なお肉は何だろうと予想して遊んでいた。
 
そして当日。
先生はたくさんのお肉を用意してくれた。
そのお肉はとても新鮮で、なんでもここでサバいたらしい。
 
みんなが、何のお肉か先生に聞いてみたけど、先生はクスクス笑って、内緒と言って教えてくれなかった。
 
ドキドキしながらみんなはそのお肉を食べる。
みんなは不思議そうな顔をして首をかしげていた。
 
「たしかに美味しいけど、食べたことがないお肉だね」
 
みんながわからなさそうな顔をしていたけど、私は何の肉かわかっていた。
でも、正解を言ったら盛り下がるから、黙っていることにした。
 
これは豚肉だ。
家でいつも食べている。
お母さんは豚の特殊な部位だって言っていた。
 
その様子を先生はずっと笑顔で見ていた。
 
 
キャンプが終わってから1週間後。
そのキャンプ場で、人間の死体が見つかった。
 
その死体はすべての肉がそぎ落とされていたそうだ。
 
終わり。

■解説

先生が用意したのは人間の肉。
さらに恐ろしいのは、語り部はその肉の味を「知っている」ことだ。
つまり、語り部は、母親に騙されていつも「人間の肉」を食べていることになる。

 

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動画

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音声でサッと聞きたい方はこちらをどうぞ。

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