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意味が分かると怖い話 解説付き Part661~670

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異邦人

山奥に小さな村があった。
 
その村は外から人が来ることがほとんどないため、文明も停滞していた。
農業を中心として細々と暮らす村人たち。
そのため、不作の年は餓死者が出てしまうことも何度もあった。
 
だが、村人たちはそれが普通だと思っている。
なので、改善しようとはしなかった。
 
そんなとき、村にある男が行き倒れるようにしてやってきた。
髪や目、肌の色が違う男に、興味津々の村人たち。
 
どうやらその男は、違う国からやってきたのだそうだ。
 
そして、その男は村人たちに色々なことを教える。
様々なことの利便性が上がり、村は少しずつ豊かになっていった。
 
村人たちはその男に感謝した。
 
ただ、その男がやってきてから、村人に行方不明者が出るようになった。
最初は、男が来たことにより、外の世界に興味を持つものが出て、人知れず村を出て行ったのだと思っていた。
 
しかし、それにしても人数が多い。
 
村の中にはその男が人を攫い、殺しているのではないかと考えるような人間も出てきた。
しかも、ある村人が、男が村人の一人を襲い、首に噛みついているのを見たと言い出した。
 
もしかすると、男は吸血鬼なのではないかと考える村人たち。
 
さらに、男からはもう学ぶことないと考えた村人たちは、吸血鬼である男を始末することにした。
 
ある日の夜。
 
村人たちは数人で、男の家を襲撃する。
すると、男はちょうど、グラスで血を飲んでいるところだった。
村人たちは激怒し、男に向けて斧を振り下ろそうとする。
 
だが、男は「これは血ではない」と言い出す。
 
どういうことかと聞くと、男が飲んでいたのは「ワイン」という飲み物らしい。
村人の一人が一口飲んでみると、それは確かに血ではなかった。
しかも、とても美味しい。
 
村人たちは男に謝罪をする。
 
男は誤解させて済まなかったと言い、家にあるワインをふるまう。
出していたワインの瓶が空き、男は地下室から新しいワインを持ってくる。
 
そして、ワインを注ごうとすると、中でワインが固まっていた。
男は「しまった」と手で顔を覆う。
 
ワインは保存する温度が重要で、ミスをするとワインは酸化してしまうのだという。
 
男は地下室から違うワインを持ってきて、村人たちに振る舞う。
酔った村人たちは夜通し、男たちと楽しく飲み明かしたのだった。
 
終わり。

■解説

ワインは酸化しても固まることはない。
つまり、男が持ってきた瓶の中に入っていたのはワインではないことになる。
そして、凝固する赤い液体は、凝血したものである可能性がある。
もしかすると、男は本当に吸血鬼で、瓶の中に血を入れて保存していたのかもしれない。

 

名医

ある男が名医と称される医師の元へと通っている。
 
「先生、どうですか?」
「今のところは、進行は止まっていますね」
「そうですか。よかった」
「でも、油断してはいけません。いつ失明してもおかしくないんですからね」
「はい。わかってます」
「難しいかもしれませんが、目は酷使しないようにしてください」
「はい。大丈夫です。無理はしません」
「では、また、目薬の方を出しておきますから」
「ありがとうございます」
 
男は目薬を受け取り、ホッと安堵のため息を吐きながら病院を出た。
ちらりと時計を見ると、既に15時を過ぎている。
 
ヤバい。遅刻してしまう。
 
男は慌てタクシーを拾い、目的地へ急ぐように伝えた。
 
 
男が部屋に入ると、既にメンバーは揃っていた。
メンバーの女性が男に言う。
 
「どこに行っていたんですか? 心配しましたよ」
「ごめんごめん。ちょっとね」
「出かけるなら、一言言っておいてくださいよ」
「ホント、ごめん。次からは気を付けるよ。それで、状況は?」
「麻酔が効いて、すぐにでも始められます」
「そう。じゃあ、すぐにオペを開始しよう」
「よろしくお願いします。先生」
 
終わり。

■解説

男は外科医である。
そして、目を患っている。
いつ失明してもおかしくない状態で手術をしているということになる。
男はいつか、手術でミスを犯し、人を殺してしまうかもしれない。

 

強盗

取り調べが終わって、そろそろ昼休憩に入ろうかと思っていた時だった。
 
あるデパートで強盗が発生したという通報を受ける。
すぐに現場に急行できる人間は俺しかいない。
しかたなく、現場へと向かった。
 
デパート内は既に客も従業員も非難した後で、閑散としている。
それでも、まだ犯人がいるかもしれない。
 
俺は慎重に店内を進んでいく。
 
すると、物陰から一人の男性が倒れ込んでくる。
右足の太ももにナイフが刺さっていた。
もしかすると、犯人に刺されたのかもしれない。
 
俺は駆け寄り、声をかける。
 
「大丈夫ですか?」
「はい。なんとか……」
「足は犯人に刺されたんですね?」
「後ろから急に襲って来たんです。僕はその衝撃で倒れてしまって……」
「そうですか……。で、犯人はどっちの方に行ったかわかりますか?」
「犯人は僕を刺して、そのままあちらの方へ逃げていきました」
 
そう言って、男性は後方の出口の辺りを指差す。
 
なるほど。
犯人はまだそれほど遠くには行っていないようだ。
 
「僕のことはいいですから、早く犯人を追ってください」
「そうはいきませんよ。すぐ、応援と救急車を呼びます」
 
俺はすぐに救急車を呼んだ後に、連絡のために無線を入れる。
 
「犯人の特徴はわかりますか?」
「えっと、172センチで、痩せ型。髪を赤く染めていて、サングラスをしていました」
「ありがとうございます」
 
俺は無線で、男性から聞いたことを伝えた。
 
次の瞬間。
背中に衝撃と激痛が走り、俺の意識は途絶えた。
 
終わり。

■解説

男性は後ろから刺されて倒れ、犯人は後方へ逃げたはずなのになぜ、犯人の体格やサングラスをしていたことまでわかったのか。
また、男が倒れて、犯人がすぐに逃げたのであれば語り部も目撃しているはずである。
つまり、男が犯人で、語り部は嘘の証言を無線で連絡した後に後ろから刺されてしまった。

 

ミネラルウォーター

その女性は自分が所有する山奥の別荘の近くに、湧水が出ることを知った。
その湧水はとても透き通っていて、飲めそうなほど綺麗に見えた。
 
そこで女性はこの水を売れないかと考え、水質を調査した。
すると、その湧水にはミネラルが豊富で、ここまでミネラルが含まれている水は世界でもみないらしい。
 
健康ブームが来ていることもあり、女性はその湧水をミネラルウォーターとして売り込んだ。
 
ミネラルが豊富で、しかも美味しいという聞き込みを聞いて、買いに来る人間が多くなってくる。
 
女性はかなりの金額を儲けたが、一つだけ悩みがあった。
それは長くリピーターがつかないということだ。
 
ミネラルウォーターを買いに来た人が、また来て、2ヶ月分を買っていく人はいるが、3ヶ月以上買い続ける人は1人もいなかった。
 
もっと儲けたいと考えた女性は色々な人に相談してみる。
そして、その中の1人からある助言をもらった。
 
女性はその助言に従って、ミネラルウォーターを売るのをやめた。
 
終わり。

■解説

女性が売っていたミネラルウォーターには、世界でも見ないほどミネラルが豊富である。
しかし、ミネラルを過剰に摂り過ぎると、肝臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼす。
つまり、3ヶ月以上、飲み続けた人間は体を壊しているため、買いに来ることができなかったのである。
女性は「そのことが大事になる前に販売をやめた方がいい」と助言されて、売るのをやめた。

 

睡眠薬

俺は数年前から不眠症だ。
最初は少し寝付くのに時間がかかるかなと思うくらいだったが、段々と眠るまでの時間が長くなり、最近では起きる時間の1時間前に寝られればいいくらいになっている。
 
さらに、ここ数日は全く寝られていない。
徹夜しっぱなしなのに、全く寝られないのだ。
 
さすがにヤバいと思い、俺は会社を休んで病院に行った。
よくわからない病名を言われ、睡眠薬を処方された。
それも、かなり強いやつらしい。
 
とにかく、寝られるだけ寝なさいと医者に言われた。
仕事がひと段落していたことと、有給が溜まっていたこともあり、俺は思い切って3日間の休みを取ることにした。
 
3日間丸々寝るため、事前にやることを終わらせて、燃えるゴミも収集所に出しておいた。
 
飯もたらふく食べ、夜の12時に睡眠薬を飲む。
もし、3日以上寝てしまったらどうしようなんて考えながら、布団に入った。
 
すると、今までのことが嘘のように俺はすぐに眠りに付けた。
 
 
どのくらい寝たのだろうか。
俺はハッとして、起き上がった。
 
どのくらい寝たのだろうか。
感覚では2日くらいはずっと寝てたんじゃないかという気がする。
 
時計を見てみると、深夜の1時だ。
 
やっぱり2日くらい寝られたんだろう。
 
そうだ。
2日経っていると言うことは、今日は燃えないゴミの日のはず。
どうせ起きれたんだから、出しておこう。
 
俺は燃えないゴミをまとめて袋に入れ、収集所へ持って行く。
 
するとゴミ収集所にはゴミ袋が一つだけあった。
それは俺が2日前に出した燃えるゴミをまとめた袋だった。
 
終わり。

■解説

語り部が出した燃えるゴミが残っていたのはなぜだろうか。
分別ができていなくて回収されなかったとも考えられるが、その場合、収集できない旨の紙が貼られるはずである。
それがないということは、「まだ回収されていない」可能性が高い。
つまり、語り部が燃えるごみを出してから、1日も経っていないということである。
語り部は強い睡眠薬を飲んだにもかかわらず、1時間しか寝られていないということになる。

 

呪いの怪談

私が小学校の頃、学校で呪いの怪談というのが流行った。
 
それはいわゆる怖い話なのだが、この話の変わっていたところは、この怪談を聞くと呪われてしまうというものだった。
怪談と呪いのビデオが合体したようなもので、今ではそんなに珍しいというわけではないが、当時はそれが斬新で、私の学校では大いに流行った。
 
呪われると言っても、異世界に連れていかれるとか死んでしまうとかそういうわけではなく、話を聞いた人のところに幽霊がやってくるというものらしい。
 
当時の私はそれでも怖くて、絶対にその怪談を聞かないようにしていた。
深夜に一人でトイレに行けない私にとって、それは当然といえば当然のことだった。
 
友達の中には興味本位でその怪談を聞いたという子が数人いた。
その子たちは全員、「幽霊が来た」と騒いでいた。
 
どうやって、やって来るのかを聞いてみると、どうやら洗面所とかお風呂とか、鏡がある場所で一人になると、急に背後に気配を感じ、鏡を見てみると女の幽霊が写るというものらしい。
 
その怪談を聞くとほぼ100パーセント、幽霊がやってくるということもあり、流行ったのだと思う。
ただ、周りは面白がって見てもいないのに見たと騒いでいただけかもしれないけど。
 
周りが騒いでいる中、私は無事にその怪談を聞かずに卒業することができた。
 
あれから10数年。
今ではすっかりとオカルト好きになった私は、今になって聞いておけばよかったと後悔した。
 
どんなお話だったのか気になり、ネットで調べてみたけど、どうやら私たちの学校内だけのローカルなお話だったらしく、結局、見つけることができなかった。
 
そんなあるとき、久しぶりに小学校の同窓会があり、参加してみた。
参加している人の中に、あのときの怪談を覚えている人がいないかを調べてみるためだ。
 
とりあえず6人くらいに聞いてみたけど、全部不発に終わった。
10年以上経っているのだから、しょうがないかもしれないけど。
 
次の人に聞いて覚えていないと言われたら諦めようと思っていたら、ちょうど、7人目の人は覚えているようだった。
なんでも、本当に幽霊を見たから、すごく印象に残っていたのだという。
 
さっそく、その怪談を聞いてみる。
内容は失恋した女の子が行方不明になるという、なんともありふれた内容の怪談だった。
 
こんなので本当に幽霊が出るんだろうか。
 
嘘臭いなと思いながら、家に帰り、洗面所の鏡の正面に立つ。
 
すると、急に寒くもないのに体が勝手に震え始める。
全身に鳥肌が立ち、後ろの方からなんだか、妙な気配を感じた。
 
ヤバい。
本当に来た。
 
凄いという気持ちと、やっぱり聞くんじゃなかったという気持ちが混じり、恐怖とどこか冷静な気持ちで頭が混乱していた。
 
「一緒に来る?」
 
後ろから女の声が、はっきりと聞こえる。
振り向きたいが、身体が金縛りになって動かない。
 
そこで私は、幽霊が鏡に写るという話を思い出し、視線を鏡に向けた。
 
鏡には誰も写っていない。
そう確認した瞬間、後ろの気配も消え、身体の金縛りも解けた。
振り向いてみても、誰もいない。
 
もしかしたら気のせいだったのかも?
そう思う反面、あれは絶対に気のせいなんかじゃないという気持ちもあった。
 
念のため、次の休みの日にお払いに行くことにしよう。
 
終わり。

■解説

語り部は鏡には「誰も」写っていないと言ってる。
だが、鏡の正面に立っているのなら、「語り部」が写っているはずである。
つまり、語り部も鏡に写っていないことになる。
語り部は幽霊の世界に連れて行かれたのかもしれない。

 

自己暗示

僕は昔から、勉強も運動も、人と話すことも苦手だった。
そのせいで、小学校ではイジメられている。
 
僕をイジメているのはカンちゃんっていう、クラス委員長だ。
カンちゃんは勉強も出来て、運動神経も抜群で、クラスのみんなや先生からも人気がある。
 
だけど、そんなカンちゃんは陰で僕をイジメているのだ。
 
一回、先生に相談してみたけど、全然信じてもらえない。
カンちゃんのせいで、毎日が地獄だ。
本当に殺してやりたいと思っている。
でも、僕なんかがカンちゃんに勝てるわけがない。
だから、我慢するしかないんだ。
 
そんなあるとき、僕はカンちゃんに階段の上から突き落とされて腕の骨を折った。
 
理由を先生に聞かれて、カンちゃんに突き落とされたと言っても信じてもらえなかったし、結局、僕の不注意での事故ということになった。
 
もう学校に行くのが嫌だ。
 
僕はお父さんに理由を話して、学校を休みたいと言った。
そしたら、お父さんはあるおまじないを教えてくれた。
 
それは鏡の前で、写っている自分に「大丈夫。できるんだ」と言い聞かせるというものだ。
 
なんでも、自己暗示とかいうもので、できると自分に言い聞かせることで本当にできるようになるらしい。
 
嘘だと思ったけど、僕は今の自分を変えたくて、毎日そのおまじないをやった。
 
すると不思議なことに、僕の勉強と体育の成績が上がってきた。
人と話すことも平気になって、みんなからも「明るくなった」と言われた。
 
僕は嬉しくなって、さらに鏡の前の僕に言い聞かせた。
 
そして、僕はついに一番やりたいことができた。
 
それからは、僕は虐められなくなるはずだ。
 
でも、お父さんとお母さんが泣いている。
なんでだろう?
 
終わり。

■解説

語り部が一番やりたかったことは「カンちゃんを殺す」ことである。
自己暗示によって、できないと思っていたことができるようになり、語り部はカンちゃんを殺すことができた。
そのため、両親は悲しんだのである。

 

革命家

その国は絶対王政で、王は民衆から暴利をむさぼっていた。
民衆は激怒し、何とかしたいと考えていたが、王の権力は強大で泣き寝入りするしかなかった。
 
そんなあるとき、1人の青年が立ち上がる。
革命家として民衆を引きつけ、英雄へと担ぎ上げられた。
青年を中心に人が集まり、勢力が拡大していく。
 
青年の軍は王に戦いを挑み、そして勝利をおさめた。
革命は成功し、青年はそのまま王となり、清廉潔白で正しく青年の理想通りに国を治めた。
 
その数十年後。
青年だった男は後悔し、処刑された。
 
終わり。

■解説

清廉潔白で正しく理想的な国は市民にとって窮屈だった。
そのため、再び革命が起こり、青年だった男は処刑されてしまった。
結局、民衆というものはわがままなのである。

 

キャンプでの焼肉

私は高校に入ったのをきっかけに、キャンプサークルに入った。
 
最近は下火になってきているけど、ブームだった時に作ったみたいだ。
作った当時は部で、部員が10人以上いたらしいけど、今は私を含めて3人だけだった。
 
でも、私はワイワイやるのが好きだから、このくらいの人数の方がいい。
だって、10人もいたら、1人くらいは合わない人が出てくるから。
 
バイトをしてキャンプセットを買いそろえて、ついにサークルでの初キャンプをすることになった。
 
そしたら、先生が特別なお肉を持ってくるから、焼き肉をしようと言ってくれた。
キャンプで焼き肉。
それだけでテンションが上がる。
 
キャンプの前に、みんなで特別なお肉は何だろうと予想して遊んでいた。
 
そして当日。
先生はたくさんのお肉を用意してくれた。
そのお肉はとても新鮮で、なんでもここでサバいたらしい。
 
みんなが、何のお肉か先生に聞いてみたけど、先生はクスクス笑って、内緒と言って教えてくれなかった。
 
ドキドキしながらみんなはそのお肉を食べる。
みんなは不思議そうな顔をして首をかしげていた。
 
「たしかに美味しいけど、食べたことがないお肉だね」
 
みんながわからなさそうな顔をしていたけど、私は何の肉かわかっていた。
でも、正解を言ったら盛り下がるから、黙っていることにした。
 
これは豚肉だ。
家でいつも食べている。
お母さんは豚の特殊な部位だって言っていた。
 
その様子を先生はずっと笑顔で見ていた。
 
 
キャンプが終わってから1週間後。
そのキャンプ場で、人間の死体が見つかった。
 
その死体はすべての肉がそぎ落とされていたそうだ。
 
終わり。

■解説

先生が用意したのは人間の肉。
さらに恐ろしいのは、語り部はその肉の味を「知っている」ことだ。
つまり、語り部は、母親に騙されていつも「人間の肉」を食べていることになる。

 

人食いサメ

その町は海が近くにあり、夏になると観光客で賑わい出す。
海開きになる頃には学校も夏休みに入り、ビーチは親子連れや若いカップルで混雑する。
 
そんな中、ある若い女性が警察に電話してくる。
なんでも、彼氏が海で溺れたと思ったら、どこにも見当たらなくなったというものだった。
 
すぐに海上保安庁に連絡して、捜索を開始してもらう。
 
するとそれとほぼ同時に、海岸付近で巨大なサメの目撃情報が入った。
観光客は悲鳴を上げ、すぐにビーチからいなくなってしまう。
 
このままでは町の経済に影響を及ぼすと考えた町の住民たちは、すぐにサメの捕獲に乗り出した。
費用はかなり掛かったが、多くの人間を投入したおかげで、数時間後には見事、サメの捕獲に成功した。
 
サメは5メートルを超すほどで、腹の中には大量の魚が詰まっていた。
確かにこの大きさなら人を食べても不思議ではないと、町の人は納得した。
 
そして、無事にサメ退治は完了したと発表する。
1日もかからずに対応した町に対して、多くの人は称賛した。
 
そのことで町に観光客が戻り、ビーチはまた混雑状態になるほどだった。
 
そんな中、今度は子供が溺れた後にいなくなったという情報が入ってきた。
 
終わり。

■解説

捕まえたサメの腹の中には大量の魚だけで、人らしきものはなかった。
捕まえるのに1日もかかっていないので、消化されたとも考えづらい。
つまり、捕まえたサメは男性を襲ったサメではないことになる。
そう考えると、いなくなった子供はサメに襲われたのかもしれない。

 

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