サイトアイコン 意味が分かると怖い話【解説付き】

ガム

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本編

俺はずっとあいつが嫌いだった。
いつか、絶対に殺してやると思いながら、表面上ではあいつと友達として付き合っていた。
あいつを殺す隙を伺うのと、あいつを殺したことで、俺が捕まるなんて考えられないからだ。
 
あいつのせいで、これ以上俺の人生が狂うのは耐えられない。
 
俺は捕まることなく、どうやってあいつを殺そうか?
そればかりを考えていた。
 
そんなとき、ある動画が目に入った。
それは、あるカップルが真夏にレストランで水を飲んだというものだ。
女は3杯を一気に飲み干し、男の方は1杯だけゆっくりと飲んだ。
すると、男は急に倒れ、死んでしまう。
警察が検証したところ、男女、どちらのコップからも毒が検出された。
では、なぜ、女の方は毒で死ななかったのか、という、頭の体操みたいな動画だ。
 
答えは毒が氷の中に入っていた、というもの。
つまり、女は氷が溶けて、中の毒が出てくる前に水を飲み干したから助かったというわけだ。
 
俺はこの動画を見たときに、これだ!と思った。
さっそく俺は毒入りの小粒のチョコレートを用意する。
 
そして、あいつに「一口どう?」と言って差し出した。
あいつは「サンキュー」と言ってチョコレートを口にする。
これであいつは毒で死ぬはずだ。
 
ただ、これだけだと、俺はすぐに捕まってしまう。
だから俺も、もちろん、毒入りのチョコレートを食べる。
 
だが、俺は予め、こっそりとガムを噛んでおいた。
口の中でチョコレートをガムで包んだ。
これで俺はチョコレートの毒で死ぬことはなく、あいつだけが死ぬはず。
 
あいつが死ぬのをじっくりと見てやるさ。
 
終わり。

■解説

チョコレートはガムを溶かす性質がある。
つまり、チョコレートでガムが溶け、毒は語り部の口の中にもあふれ出す可能性が高い。
このあと、2人とも毒で死んでしまうはずである。

 

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