本編
最近、サーファーの友達が、イルカの友達が出来たとはしゃいでいる。
なんでも、彼女が海に行って、呼ぶと絶対に現れるらしい。
はしゃいだ彼女は毎日のように、そのイルカのことについてしゃべってくる。
「その子はね、すっごく頭がいいんだぁ。泳ぐのも早いし」
「お魚をあげると、ハムハムって噛んで食べるのが可愛いんだよね」
「あとね、私の香水がわかるみたい。私の匂いを嗅いで、嬉しそうにするんだよ」
「お腹を撫でてあげると、両目を瞑って寝ちゃうの。それがたまんないんだよね」
はあ……。
毎日、毎日、本当にうんざりする。
まあ、楽しいのなら、何よりなんだけど。
終わり。
■解説
イルカは噛まずに飲み込むし、匂いもわからないと言われている。
そして、眠るときは片目だけを閉じて眠る。
彼女に懐いているのはイルカではない可能性が高い。
彼女は一体、なにと友達になったのだろうか。