本編
少年はいつも治験のバイトがあれば、いつも申し込みをしていた。
今回も、報酬がかなりいい治験のバイトがあると聞きつけて、すぐに応募した。
そして、その治験のバイトに採用され、いつも通りに契約書を渡される。
内容はいつもの項目ばかりだったが、1つだけ気になった項目があった。
治験後に結果により追加で依頼させていただきます、というものだった。
つまり、体質によっては追加で強制的に治験を続けて欲しいというものだろうと、少年は思った。
期間が長引くのは面倒くさいと思いながらも、報酬もよかったため、契約書にサインをする。
少年はいつもよりも綿密に検査をされた。
そして、治験が開始され、日々、データを取られていく。
最初の治験が終わり、帰ろうと思った時だった。
スタッフの人に声をかけられる少年。
追加での依頼があるのだという。
面倒くさくなった少年は断ろうとしたが、始める前に書いた契約書を見せられ、渋々、受けることになった。
数日後。
少年の親の元に、多額の報酬が振り込まれた。
終わり。
■解説
治験は臓器移植のためのものだった。
そして、少年の親に報酬が支払われたということは、少年は生きて戻ってきていないことになる。
ということは重要な臓器を取られてしまった可能性が高い。