本編
男の子はある日、親に古本屋で絶滅した動物の図鑑を買ってもらった。
その図鑑はとても分厚い上に、多くの空白のページがあった。
男の子は空白のページはなんだろうと思いながら、いつも図鑑を眺めていた。
そんなあるとき、テレビである鳥が絶滅したというニュースが流れているのを見つける。
男の子は図鑑に載っているかなと思いながら、調べてみた。
すると、その鳥が図鑑に載っていた。
だが、不思議なことにその鳥が載っていたのは、空白のページのはずだった。
おかしいなと思いながら、過ごしていると、またニュースで絶滅した動物のことをやっていた。
男の子はまた図鑑で調べてみると、やっぱり、空白のページだったところにその動物のことが書かれていた。
男の子は新しく動物が増えていく不思議な図鑑にすっかり魅了され、毎日夢中になって見ていた。
徐々に図鑑のページが埋まっていく中、男の子は図鑑に自分の写真が載っていることに気づいた。
終わり。
■解説
その図鑑は絶滅する動物が載る不思議な図鑑だった。
男の子がその図鑑に載ったということは、人間が絶滅してしまうということになる。