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漂白剤

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本編

珍しく一人でいるTがこんなことを相談してきた。
 
「服のシミを落とすのに、いい方法を知らない?」
 
そこで俺はいつも使っている洗濯洗剤を勧めたが、Tは首を横に振った。
 
「大体の洗剤は試したんだよ。でも、全然落ちなくてさー」
 
それなら、クリーニング屋に頼むのはどうかと、言ったら、またしてもTは首を横に振る。
 
「俺、あんまりお店は信用できなくって」
 
俺は思い切って捨てて同じのを買うのはどうかというと、それも首を横に振るT。
 
「あのシャツの柄、もう売ってないし、気に入ってるから捨てたくないんだよな」
 
Tはどうしても、そのシャツの汚れを落としたいらしい。
俺は最後の手段として、思い切って漂白剤を使ったらどうかと言ってみた。
するとTは少し考え、スマホを出して、何かを検索し始める。
その後、急にTの顔が明るくなり、「ありがとう、試してみる」と言って走っていった。
 
次の日。
Tはご機嫌な顔して、俺にお礼を言ってきた。
 
「サンキュー。完璧に消えたよ。ほら!」
 
そう言って、Tは着ている真っ白のシャツを指差した。
俺は漂白剤を使うと他の色も落ちてしまうと心配していたが、真っ白だったならいらない心配だったようだ。
 
Tも喜んでるし、言ってよかった。
 
それにしても、Tといつも一緒にいるOの姿を最近、全く見てないな。
どこに行ったんだろう。
 
終わり。
 

■解説

最初、Tは「あのシャツの柄」と言っているのに、着てきたシャツは真っ白なのは違和感がある。
そして、漂白剤は血液を落とすのに一番適している。
さらに、Tと一緒にOの姿が見当たらない。
もしかすると、Tが落としたかったのは血痕だったのかもしれない。
そして、その血痕は誰のものか?
それはOである可能性が高い。

 

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