■本編
10年前、女は手相占いをした。
その当時、当たると噂になっていた占い師に見てもらった結果、「あなたは10年後に事故で死ぬ」と告げられた。
占い師は「手相は変わることがあるから」と女を慰めたが、女はずっとそのことが気がかりだった。
占ってもらってから10年後。
女は再び、占い師の元に行き、手相占いをしてもらった。
占い師は女のことを覚えていたようで、緊張した面持ちで、女のことを占った。
占い師はぎこちなかったが、微笑みながら「手相は変わっています」と告げた。
女は安堵した。
軽い足取りで家に帰る途中、女は車の事故に巻き込まれて亡くなった。
終わり。
■解説
女の手相は「10年後に死ぬ」というものから「今日死ぬ」ものに「変わった」だけであった。