■本編
彼女は僕の全てだった。
彼女が望むことはどんなことをしてでも叶えたし、欲しがったものは奪ってでも手に入れた。
もちろん、法に触れることも随分とやった。
でも、後悔はしてない。
これからもすることはないだろう。
そこまで僕は彼女に全てを捧げてきた。
だが、そんな僕に彼女は「別れて欲しい」と言ってきた。
なんでも、好きな人ができたらしい。
僕は受け入れた。
だって、彼女の幸せが僕の幸せだから。
僕はある滝にやってきた。
彼女に告白した、思い出の場所だ。
そこで彼女と過ごした日々を思い出す。
僕は彼女を幸せにできなかった。
でも、来世では絶対に彼女を幸せにしてみせると誓う。
そう決意して、僕は滝へと飛び降りた。
一秒でも早く彼女と会うために。
終わり。
■解説
語り部は既に彼女を殺し、後追い自殺をした。