■本編
その家族は貧乏ながらも幸せに暮らしていた。
母親の口癖は「お金がピンチ」で、何かとお金が無いとアピールするのだ。
子供も4歳でありながらも家にはお金が無いことを自覚し、我儘も言わない。
そんな中、今日も母親は家計簿と睨めっこしている。
少ない生活費をやり繰りするのが趣味になっているようだ。
1ヶ月分の生活費を計算する母親。
「うーん。どうしても足が出るわね。なんとか削らなくっちゃ」
どう削るかを考えるのも、どうやら楽しいらしい。
次の日。
母親は血だらけで発見される。
すぐに病院に運ばれたが、母親は車椅子生活になってしまった。
終わり。
■解説
『足が出る』『削らなくっちゃ』という言葉を子供が聞いていた。
子供は慣用句だとわからずに、母親が寝ている間に物理的に足を削ったのである。