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てるてる坊主

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■本編

6月は雨が多い。
 
ホントに雨は大嫌いだ。
外で遊べなくなるし、なんか体がベタベタするし、傘も嫌い。
だから早く、7月になってほしい。
 
でも6月でも晴れになって欲しい日はある。
明日はお父さんが珍しく遊園地に連れてってくれるって約束してくれた。
だから、絶対に明日は晴れになって欲しい。
 
とにかく、僕はクラスのみんなに、晴れになる方法を知らないかを聞いてまわった。
でも、みんな、そんなのは知らないって言われた。
 
どうしよう。
そう思って帰っていると、ふと、ある家が見えた。
 
その家は確か、お金持ちの3人家族が住んでるとか言っていた。
 
いいなぁ。
こんなにおっきな家に住めるなんて、すごいなぁ。
 
そう思って見ていると、僕は家の中にすごいものを見つけた。
 
おっきなてるてる坊主。
大きいのが2つと小さいのが1つ。
 
僕はそれを見て閃いた。
 
そっか。
てるてる坊主があった。
 
僕は帰ってさっそくたくさんのてるてる坊主を作った。
そのおかげで、次の日はちゃんと晴れた。
 
お父さんは約束通りに僕を遊園地に連れて行ってくれた。
すっごく楽しかった。
 
月曜日の学校の帰り道。
またそのお金持ちの家の前を通った。
 
てるてる坊主あるかな?
 
てるてる坊主があった部屋を見てみると、そこにはもうてるてる坊主はなかった。
 
もうしまっちゃったのか、と思ってたら、窓からおばあちゃんがこっちを見て、笑って手を振ってくれた。
僕はおばあちゃんに手を振ってから、家に帰った。
 
終わり。

■解説

語り部が見た大きなてるてる坊主は、てるてる坊主ではなく首つり自殺した、家族。
では、最後に見たおばあさんは、一体、何者だったのか。

 

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