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大胆な強盗

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■本編

いつもの何気ない平日の朝のことだ。
会社に向かうため、家を出て、ちょうどアパートの入口のところで警察官に出くわした。
 
なにか見回りをしているようだったので、「なにかあったんですか?」と聞いてみた。
すると、最近、この辺で見知らぬ男がウロウロしているという通報があったのだという。
 
近頃は空き巣や強盗などが頻発しているので、見回りを強化しているらしい。
 
妻は主婦で日中でも家にいるので、怪しい人物と出くわしたらと思うと怖い。
うちは戸締りはしっかりとしているが、そんなものは窓を割られて侵入でもされたら終わりだ。
俺は警察官に「よろしくお願いします」と挨拶して、会社へ向かった。
 
 
その日は商談も早くまとまり、会社に帰社予定の時間まで2時間以上あったので、家で休もうと思い、家に戻った。
 
鍵を開けて家の中に入ると、玄関には見知らぬ靴があった。
誰か、お客さんでも来てるのだろうか。
 
「お客さんか?」
 
俺は妻に声をかけながらリビングへと向かった。
すると、悲鳴が聞こえた。
それは妻のものだった。
 
俺は慌ててリビングに走った。
ドアを開けると、妻は床にペタンと座って、震えていた。
 
「どうしたんだ?」
 
震えている妻に問いかけると、いきなり家に強盗が入ってきたのだという。
金目の物を出せと脅されたところに、俺が帰ってきて、強盗は逃げて行ったらしい。
 
見るとリビングの窓が開いている。
そこから逃げたんだろう。
 
幸い、取られたものはなく、窓も割られたりもしていなかった。
妻も無事だったからよかったものの、俺が偶然、家に帰ってなかったら最悪なこともあり得た。

それにしても白昼堂々と犯行を行うなんて、大胆な強盗だ。
 
警察の人には悪いが、もっと巡回を強化してもらおう。
 
終わり。

■解説

強盗がいきなり入って来たというのなら、一体、どこから入ってきたのだろうか。
語り部が家に帰ったとき、家のドアには鍵がかかっていた上に、靴が置いてあった。
強盗がわざわざ靴を脱いで入って来るのには違和感がある。
妻が招いたと考える方が自然である。
つまり、妻は語り部が仕事している間に不倫をしていた。
突然、語り部が帰ってきたので、不倫相手は慌てて窓から逃げたのだろう。

 

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