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退屈な大富豪

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■本編

その男は大富豪の家に生まれ、幼少の頃から何不自由なく暮らしていた。
興味のあるものは全て買ってもらい、レジャー施設は貸し切りにして、心行くまで遊んだ。
 
大人になる頃には、男はこの世のすべての遊びをやりつくしてしまった。
 
そして、男は退屈な日々を過ごすことになる。
どんな遊びも男にとってはつまらなく感じた。
 
一時はギャンブルにもハマったが、すぐに飽きてします。
さらには奴隷などを金の力を使って買い集め、その奴隷たちを狩るなんてこともした。
 
だが、やはり男を満足させられることはなかった。
 
男は退屈に悩まされる。
退屈で気が狂いそうだった。
 
そこで、男は「退屈を解消できたものに多大な報酬を出す」と宣言した。
 
様々な人間がゲームや乗り物などを持って、男の元にやってくる。
しかし、まったく男の退屈を解消することができなかった。
 
もうダメだと諦めかけたときだった。
男の元に一人の奇術師がやってくる。
 
奇術師はロープにぶら下がるという方法を男に提示した。
男は奇術師の言う通りにロープにぶら下がった。
 
男は二度と退屈することはなかった。
 
終わり。

■解説

奇術師が提示したのは首にロープを括りつけてぶら下がるという方法。
つまり、男は首を吊った。
男は死んでしまったので、もう二度と退屈することはない。

 

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