サイトアイコン 意味が分かると怖い話【解説付き】

暖房便座

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本編

北国に住んでいるとさ、トイレがすごく寒くて嫌になるだよね。
便座に座るとさ、飛び上がるくらい冷たいわけ。
 
もちろん、便座カバーはしてるよ。
でも、それでも冷たいことは変わりないんだ。
 
しかも、便秘気味だからさ、トイレにこもる時間は長いわけよ。
寒い中で、震えてたら出るものも出ないよ、そりゃさ。
 
だから、俺は思い切って暖房便座を買ったんだ。
ウォシュレットがついてるやつ。
 
いやー、ホント快適だね。
 
もっと早く買うべきだったよ。
これで冬のトイレも嫌な思いをしなくて済む。
 
でもさ、最近、ほら、電気代が高くなったでしょ?
で、ずーっと暖房便座の電気を入れてると勿体ないかなーって思い始めたんだよ。
俺は一人暮らしだし、昼は会社行ってるし。
だから、その間、ずーっと電気つけてたらもったいないって思うんだよね。
それで、俺は会社を出るときに暖房便座のコンセントを抜くことにしたんだ。
 
同僚に話したらさ、そんなの何円も変わらんって笑われたんだけどさ。
でも、こういうのは感覚の問題だよ。
少しでも節約したいんだよね。
 
でも、気を受けないといけないのが、会社から帰って、すぐにコンセントを入れないと、冷たくなった便座に座ることになる。
 
以前、コンセントを入れるのを忘れて座ったときは、思わず飛び上がっちゃったよ。
ある意味、懐かしい感覚だね。
だから、帰ってきたら、まず、コンセントを入れるっていう癖をつけたんだ。
 
そんなある日のことだったんだけどさ。
返ってる途中でお腹壊して、家まで急いで帰る羽目になったんだよね。
その日はやたらと寒くて、やたらとコーヒーを飲んだせいだと思う。
 
何とかギリギリの状態で家に帰れたときは、神様に感謝したね。
 
俺はすぐにコンセントを入れて、便座に座った。
いやー、暖かい。
さっきまで苦しんでたのがウソみたいに、幸せな気分だ。
 
ホント、暖房便座はいいよ。
絶対にお勧め。
北国に住んでるなら、尚更ね。
 
終わり。

■解説

いくら暖房便座でも、コンセントを入れた瞬間に温かくなるわけがない。
しかも語り部は一人暮らしで、会社を出る前にコンセントを抜き、その日は寒かったと言っている。
では、なぜ、語り部が帰ってきてすぐに座ったのに温かかったのか。
もしかすると、語り部が使う前に、誰かが暖房便座を使っていたのかもしれない。

 

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