■本編
男はスパイをしている。
今回は中国のマフィアのところへ入り込み、情報を収集するという任務だった。
男は日本人だったが、中国人の血も入っているため、中国人として侵入できると想定して、選ばれたのだ。
そこで男はマフィアのボスの娘に取り入り、ボスに気に入られることに成功した。
そして、ついにボスと娘の3人で食事をすることになった。
男はボスが料理に手を出すまで決して、手を付けなかったし、料理を取り分けるときも自分の箸を使った。
汁ものや麺を食べるときも音を立てなかったし、お皿に口を付けたりもしなかった。
当然、料理をすべて食べきることもせず、ちゃんと残した。
そして、いざ、食事が終ろうとしていたとき、突然、男は腹痛に襲われた。
ボスに謝罪をしてトイレへと駆け込んだ。
とても綺麗なトイレ。
トイレットペーパーも新品だった。
男は個室トイレと言うこともあり、思わず、一息をついた。
だがトイレを流すと同時に、すぐに気を引き締めた。
その日は円満にボスと別れた。
しかし、数日後。
男は変死体として発見された。
終わり。
■解説
男は中国人ではないとボスにバレたため、殺された。
中国ではトイレットペーパーをトイレに流さず、ゴミ箱に捨てることが一般的。
元々、男は怪しまれていたので、そこでバレてしまった。
腹が痛くなったのも、ボスの仕業である。