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【意味が分かると怖い話】ハト

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■本編

私が住んでいる町はハトが多いことで有名なんだよね。
中央公園には、無数のハトがいる。
 
普通は野生のハトに餌をやらないでって言われるところだけど、この町はハトが有名で観光客が来るくらいだから、ハトに餌をやるのは承認されている。
奈良のシカと同じって感じかな。
だから、公園には何個か、ハトの餌を売っている店がある。
 
ただ、この中央公園にはハトが多いが、実はホームレスも多い。
昼は町の役人がホームレスを追い出すのだけれど、夜になると戻って来る。
 
だから、昼は普通の、ハトの多い公園だけど、夜になるとハトの代わりにホームレスが点在する公園に早変わりする。
だから、地元の人間は、夜は中央公園には寄り付かない。
 
あるとき、母が私のところに遊びに来たから、中央公園に連れて行った。
売店でハトの餌を買い、ハトに餌をあげていると、突然ホームレスの一人がハトに交じって餌を拾い始めた。
 
私と母はドン引きした。
だって、ハトの餌を一心不乱で人間が拾っているのだから。
 
そのホームレスはガリガリに痩せていて、目が血走っていた。
食べ物が無くて、ついにはハトの餌さえも食べようとしているんだろうか。
 
とにかく母と私は、速攻でその場を立ち去った。
せっかくの母を案内したのに嫌な思いをさせてしまい、私はバツが悪かった。
 
それから数日後。
お昼に私が一人で公園を歩いていると、ハトに餌をあげている人がいた。
 
それはなんと、母と私が餌を撒いていたのを、必死に拾っていたホームレスだった。
 
食べるために拾ってたんじゃないの?
自分でハトに餌をやりたかったのだろうか?
それにしては、必死過ぎる気もした。
  
でも、そのときはそう思ったくらいで、そこまで気に掛けなかった。
 
それから数ヶ月後。
最近、公園のハトが減ったという噂を聞いた。
 
終わり。

■解説

ホームレスはハトの餌を拾い、その餌を使ってハトを捕まえていた。
そして、そのハトを食べていたのである。

 

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