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【意味が分かると怖い話】妹

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■本編

5歳離れた妹がいる。

両親が共働きということもあり、妹の面倒はほとんど俺が見ていた。

そのせいか、妹は俺に依存している。

友人の兄弟と比べても、異常なほどに。

 

かと言って、俺は妹が嫌いというわけではない。

ずっと妹の親代わりをしていたのだ。

可愛くないわけがない。

 

学生の頃はよく友人に冷やかされていたが、それでも俺は友人よりも妹を優先した生活をしていた。

 

おそらくそれが悪かったのだろう。

妹は俺への依存を強めていく。

 

年頃になれば、それもなくなるだろうと思っていたが、俺が大学を卒業する時期になっても、妹の、俺への依存は変わらなかった。

 

このままでは妹はダメになる。

そう思って俺は就職を機に、家を出た。

俺がいなくなれば、兄離れをするだろうと思っていた。

 

だが、1年後。

妹が俺の家に押し掛けてきた。

俺の家から大学が近いらしい。

そういう理由と、兄妹の仲の良さもあり、両親は俺と妹が一緒に住むことになんの抵抗もなかったようだ。

 

だが、俺はこれではより一層、妹が俺に依存してしまうと思い、かなり渋った。

しかも、妹の、俺を見る目が、なんというか兄というよりも異性を見るような感覚がする。

さすがにまずいと思い、俺はある条件を妹に出した。

 

「彼氏を作るまでは、会話をしない」というものだ。

 

少々酷な条件だろうと思ったが、それでも妹のことを思えば、これくらいの荒療治は必要だと思った。

妹は了承したが、1つだけ条件をお願いしてきた。

 

「夕食だけは一緒に食べたい」というものだった。

 

それくらいならと思い、俺は夕食を一緒に食べることと、その間だけは会話することにした。

夕食のときだけの会話しかしない。

そんな生活が、半年以上が続いた。

 

妹にそろそろ彼氏ができたか?と聞いてみると「もうすぐできるかも」と笑った。

俺はその言葉に安心した。

 

それにしても、妹の料理の腕はこの半年間で物凄く上がった。

いつも妹が夕食の準備をするのだが、美味しくてつい、満腹まで食べてしまう。

そのせいか、夜はぐっすりだ。

 

家事も完ぺきにこなすようになった。

もう、俺がいなくても問題ないくらいというより、きっといい奥さんになるだろう。

 

そんなとき、妹がいきなり妊娠したと言い出した。

俺は唖然とした。

いくら彼氏を作れとは言ったが、いきなりそこまでするとは思ってなかった。

 

妹は生むと言ってきかない。

俺もようやく兄離れをしてくれたと考えると、これはこれでいいと思った。

 

だが、妹に何度言っても、相手を紹介してくれない。

兄として、妹が付き合っている男が気にならないわけがない。

しかも、結婚前に相手を妊娠させる男だ。

 

俺が彼氏を作れと急かした責任もあるし、妹には幸せになって欲しい。

相手がろくでもない男なら、別れてほしいとお願いするつもりだ。

ただ、妹が会わせてくれないので、探偵を使って調べることにした。

 

今日は探偵から結果を聞く日だ。

 

探偵のところへ行くと、「妹さんと付き合っている人はいません」と言われた。

 

終わり。

■解説

夕食は妹が作っていたこと。

夕食を食べた後、語り部は夜は深い眠りについていたこと。

そして、妹に付き合っている男はいない。

つまり、妹を妊娠させた男は語り部ということになる。

(妹が寝込みを襲ったということになる)

 

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