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【意味が分かると怖い話】異世界へ行く方法

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■本編

Aはこの世界に辟易していた。

代わり映えの無い、繰り返しの毎日。

仕事やダルい人間関係、希望を見いだせない未来。

かといって、自ら命を絶つという決意も出来ない。

 

そこでAは、「異世界」に興味を持ち始めた。

こことは違う世界に行くというのは、まさにAが望んでいることだった。

 

Aは色々と、異世界に行く方法を調べていく。

片っ端から、見つけた方法を試して見るが、一向に、異世界に行ける気配がない。

 

そして、Aは最後にエレベーターを使う方法を試すことにした。

 

エレベーターに乗って、まずは3階、2階、4階、2階、5階に行く。

この間に誰かが乗ってきたら失敗。

5階に行ったら、4階まで降りる。

その時に、若い女性が乗ってくる。

次に、また5階のボタンを押したときに、上に行かずに下へ向かう。

そして、1階についたときに異世界に行ける。

 

そういう方法だった。

一般的に知られている方法とは少し違うが、実際に行ったという書き込みが多いことで、Aはこの方法を信じた。

 

Aはこの方法を何度か試すが、どうしても、途中でエレベーターに人が乗ってきてしまう。

どうにかして、人が乗って来なさそうな建物を探すA。

 

そして、ようやくAは見つけることができた。

それは、廃墟となったビルだった。

今にも崩れそうなほど古くなった建物。

それなのに、なぜか、エレベーターが動くのだ。

 

ここなら、絶対に途中で人が入って来ることは無い。

そう確信して、Aはさっそく試すことにした。

 

エレベーターに乗り、3階、2階、4階、2階、5階に行く。

当然だが、その間、誰も乗って来なかった。

ようやく、ここまで成功したAの気持ちは高揚する。

そして、次に4階へと降りる。

ここで、若い女性が降りてくれば、ほぼ成功だ。

 

ドキドキしながら待っていると、4階で止まり、ドアが開く。

 

しかし、そこには誰もいなかった。

Aは失敗か、とため息をついた。

だが、つい、5階のボタンを押してしまう。

 

すると、エレベーターは一度大きく揺れた後、物凄い勢いで下へと向かって行く。

 

成功したのか!?

 

Aは喜んだ。

そして、エレベーターが1階に着いた時、Aは異世界に行くことに成功した。

 

終わり。

■解説

Aは今にも崩れそうな廃墟のエレベーターで、この方法を試した。

1階に着いた時に異世界に行くことに成功したというのは、4階のところで、エレベーターのワイヤーが切れ、1階に落下したことで、Aは命を落としたということである。

また、古く、廃墟になっていたエレベーターだったため、安全装置も作動しなかったと考えられる。

 

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