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【意味が分かると怖い話】精肉店

■概要
意味が分かると怖い話です。こちらは創作(オリジナル)となっています。
こちらの話は配信などでも、お使いいただけます。
※ただし、転記や自作発言は止めてください。

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■本編

俺は精肉店を営んでいる。

人件費を浮かせるために家族総出で手伝って貰っているとはいえ、前まではそこそこ繁盛していて、家族4人を食わせていくのに不自由はなかった。

 

けど、例のアレでみんなが巣ごもりを始めるようになってからは、売り上げは激減した。

顔なじみが心配して、時々、買っててくれる程度。

今では肉を仕入れることも厳しい状態になっていて、店を畳もうかとも考えた。

 

そんなとき、友人があるアドバイスをしてくれたのだ。

 

「今どき、ネットを使わないで売り上げを上げようなんて無理だよ」

 

俺は友人のアドバイスに従って、大勝負に出ることにした。

丸々1体を解体して、ネット販売をするという方法だ。

 

いやあ、最初は半信半疑だったよ。

本当に売れるのかって。

 

でも、そんなのは無駄な心配だったよ。

そりゃ、もう、バンバン売れたね。

 

むね、もも、かた、リブ、タン、ヒレなどなど。

口コミがドンドン広がって、ひっきりなしに注文が入った。

 

解体作業も大忙し。

本当、一人で店を回すのはキツイよ。

まあ、嬉しい悲鳴ってやつだよね。

 

そんな中、ある一通の注文が来た。

 

「足と手はありますか?」

 

へー。なかなか通だね。

わかっていらっしゃる。

 

次の日、すぐに送った。

さてと、そろそろ肉がなくなってきた。

また、仕入れないと。

 

終わり。

■解説

語り部は「丸々1体を仕入れた」と言っているが、「なにを」仕入れたかは語っていない。

豚、牛、鳥の部位には(腕と表現する部位はあるが)「手」はない。

つまり、語り部は豚、牛、鳥以外の「なにか」の肉を売っている。

そして、注文してきた人は、その「なにか」がわかっている上で「手」を注文してきたことになる。

また、始めは「家族総出」で店を手伝っていたが、今では「一人」で店を回している。

さらに、最後にはそろそろ肉がなくなってきたから「仕入れる」と言っている。

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